- 作者: 半藤一利
- 出版社/メーカー: 平凡社
- 発売日: 2009/06/10
- メディア: 文庫
- 購入: 11人 クリック: 125回
- この商品を含むブログ (109件) を見る
昨年末から、本屋さんで見つけて買ってあったのをなんとなく読み始めてやめられなくなり、ようやく読み終わった。
昭和史といっても太平洋戦争が終わるまで、の話で、ほとんどが軍部、戦争、の内容。
文中作者も情けない情けないと何度も言っているが、確かに、内容は目を覆いたくなるような、見通しのない指導者たちの失態ばかりで読んでてあまり気持ちのよいものではないが。。
なんでそうなってしまったのか、それでも日本国民は熱狂の中にそれを歓迎したのか、不思議な思いのする本である。
あー、自分の親はそういう時代に子供時代を過ごしたんだなあ、と思って読むとこれもまた奇妙な思いのする本である。
一番印象に残ったのは開戦し、真珠湾で勝った時の日本国内の反応の話。
亀井勝一郎はもっとはっきりと言っています。
「勝利は、日本民族にとって実に長いあいだの夢であったと思う。即ち嘗てペルリによって武力的に開国を迫られた我が国の、これこそ最初にして最大の苛烈極まる返答であり、復讐だったのである。維新以来我ら祖先の抱いた無念の思いを、一挙にして晴らすべきときが来たのである」
なるほど、そういう意識があったのか。
いろいろ考えちゃいますよね。軍部には長州閥があったという話だし。
吉田松陰の、外人に日本刀の切れ味をみせつけてやりたい、的な発言のね、そういう意志がやっとここで晴らされたみたいな、攘夷の志の。
まあそれにしてもコテンパンにやられたもんですよね。
歴史にIFはないと言うけれど、もしこの日本の大暴走がなければ、一体いつまで列強の植民地支配は続いていたんでしょう。。。