- 作者: 河合敦
- 出版社/メーカー: 徳間書店
- 発売日: 2018/02/28
- メディア: 新書
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前回「工作員・西郷隆盛 謀略の幕末維新史」を読んで、日本と台湾の現在の友好関係のそもそものきっかけを作ったのは大久保利通であると確信し、引き続き大久保利通に関する本を読んでいる。
「工作員・西郷隆盛 謀略の幕末維新史」ではあたかも大久保利通が台湾出兵を主張したかのように書かれていたが、こちらの本では全然違う。
琉球の人が台湾の人に殺されたことをきっかけに出兵してしまったのは西郷隆盛の弟の従道である。
当時征韓論に負けて、すねて鹿児島へ帰っていた兄の隆盛の機嫌を取るために、事前にこの出兵のために鹿児島県士族の助けを乞い、兵を借りていた。
だから今更中止できなかったというのだ。
つまり大久保利通は台湾出兵を止めようとしたが、間に合わなかったと。
で、なんとか平和的に解決するために自ら清国へ赴き、交渉する。
「台湾は清国の統治が及んでいないのだから出兵するのはかまわないはず。もし自国の領土であるというのなら、我が国の台湾への出兵を義挙と認め、賠償金を支払え」
としつこく繰り返し清国の担当者を辟易させ、とうとう条件をのませたという。