作者の酒井充子(あつこ)さんは1969年山口県生まれ。慶応大学を出て北海道新聞社に勤務していたころ、1998年に「愛情萬歳」という台湾映画を見て影響され、8月に台湾へ。
九份のバス停でおじいさんに日本語で話しかけられたのをきっかけに日本統治時代を知るお年寄りへのインタビューを思い立つ。
2009年には映画が公開されたそうだ。
台湾人生 かつて日本人だった人たちを訪ねて (光文社知恵の森文庫)
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これまでも似たような内容の本を読んできたが、一番違うのはこの本に出てくる台湾の人は皆日本政府の補償の話をしていること。
日本は好きだが日本の政府は何故我々を見捨てたのか、なんの補償もしてくれないのか、と憤っている。
なるほどそういうのがあるのか。
第5章に出てくるパイワン族のタリグさんは国会議員にもなって、台北で岸(信介)首相(山口県生まれ)と知り合いになり、ホテルで食事した時に補償の話をしたところ、
「やりますよ、あたりまえだ。国会を納得させる」
と言ってくれたそうだが、結局あやふやに。
最近はどちらかと言うとゴーマニズム宣言じゃないけど、蒋介石、国民党はだめ、みたいな感じが強いけど、戦後の日本と蒋介石政権って実は仲が良かったんじゃないかなって気がしています。
蒋介石との間でそういう密約的なものが交わされたんじゃなかろうかと。
想像ですが。
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結局教育なのかなあ、って思いますね。こういった台湾の人たちが接していた日本というのはつまり先生ですよね。学校の先生。あるいは蕃所のお巡りさん。
そういう人たちが立派な行いをしたから今も日本を良く思っている。
昔の先生はほんとに立派だったって言うからね。
自分は日本人だと思っている。そう教えられたから。
洗脳と言えば洗脳かもしれないけど、どんな社会でも程度の差はあるけどそういう教えられて影響されて信じる、、ものってあるしそれがないと生きていけないよね。
ちなみにこの作者は顔が南国的なので台湾へ行くと必ず現地人と間違えられて道を聞かれるそうだ。
台湾語で「ごわしぃ りっぷんらん」と答えるとのこと。